先人からの学び
ナイチンゲールの著書「看護覚え書」には、「住居の健康」という章があります。
その中では、生活を整えることが、自然治癒力を高めるとされ、「住居で重要なことは、新鮮な空気、水、効果的な排水、清潔、陽光である」とされています。
そして、「これらすべてが備わってこそ住居は健康的と言えるのだ」と言い切っています。
言わずと知れたナイチンゲールは19世紀後半、クリミア戦争で傷ついた兵士の世話をしたイギリス人看護師で、看護師の仕事の基礎を作った白衣の天使と呼ばれる人物です。
彼女がこれを著した時代と現代とでは衛生面や設備面で大きく違っているとはいえ、やはり住まいを作るうえではとても大切なことに違いありません。
この中で排水や新鮮な水という点は上下水道が整備された現代においては特に問題ないように思います。
しかし、空気や陽光についてはどうでしょうか?
新鮮な外の空気を効果的に取り込んで換気することができるような設計、太陽光(自然光)がいっぱい差し込む明るい家というのは意識して作り出すものだと感じています。
そして、十分な換気ができる明るい家であれば、住まいを清潔に保つことも容易なのではないでしょうか。
住居の健康を保つことがそこに住む人の健康を保つことの大きな要素だということはナイチンゲールが活躍した当時も今も同じなのですね。
私たちもこうした先人の教えを大切にした家づくりをしていきたいと思っています。
R.